- 作者: 岸本佐知子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2006/05
- メディア: 新書
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プロ野球セ・リーグが開幕したが、案の定、ヤクルトはピッチャーの駒不足で
苦しいスタートとなった。苦しいのにはなれているが、やりくり上手にもほどがある。
いっそのこと村田兆治を先発要員として起用したらどうだろう。
明日から取りかかる仕事の資料調べをしてから、
昨日に引き続き、カタい本は回避してやわらかそうなエッセイを読む。
『気になる部分』岸本佐知子著をあれよあれよと読了。
昨日エントリーした『さみしいネコ』早川良一郎著が抑制の効いたユーモアなら、
こちらは、そうではないユーモア。
おもしろさは、目や耳にしていたけど、
単純なおもしろさではなく、ひねってあるおもしろさ。
ブラックというのか、シュールというのか。
意図的なのか、天然なのかはよくわからないが。
だいたひかるなどのピン芸人の近視眼的世界、
日常生活の疑問や不条理さなど、
ネタ、素材は同じなんだけど、こちらのほうが仕上がりは知的で妙ちくりん。
思考回路がショートしてるのか、つなぎ方が変なのか。
イマジネーションの具合が人と異なるのか。
ま、筒井康隆、川上弘美、笙野頼子あたりがお気に入りのようだから、
その手のものに目がない人にはリコメンドする。もう、読んでると思うが。
余談。作者は翻訳家になる前、「某洋酒メーカー宣伝部」に勤務していた。
その当時のことも書かれているが、
「やってみなはれ」精神で何人もの作家を輩出した企業だし、
現在も作家の令嬢が在社して週刊「新潮」にエッセイを連載しているが、
なにやらその風土はいまもあるようだ。