- 作者: 伊藤真
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/02/16
- メディア: 文庫
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『会社コンプライアンス 内部統制の条件』伊藤真著を読む。
作者は高名な司法試験塾「伊藤塾」の塾長で、昨年12月に取材した大学でも
その塾に通っている学生がいた。
ぼくがはじめてコンプライアンスという言葉を知ったのは、
外資系の証券会社のWebのテキスト書きの仕事だった。
7〜8年ほど前だったろうか。
ノートに「コンプライアンス」とメモして、
帰宅してからgooかなんかで検索して「法令遵守」という表層的な意味を知った。
それからだ。コンプライアンス関連の言葉が次々と出て来るようになったのは。
コーポレートガバナンス、CSR、ステークホルダー、リスクマネジメント、JSOX法…。
単なる日本語というのか、クイズの解答的知識はあっても、
具体的なものは正直言ってうろ覚えだった。
いままでは金融やセキュリティのIT方面からの仕事でなんとなく覚えたが、
この本は法律的な視点から捉えられているところが斬新で、しかも、わかりやすい。
「会社は株主の者だと」と欧米流のやり方でやってきた人が、
ちょうどいま裁判になっているが、
作者はなんでもかでも欧米、正しくはアメリカか、そのやり方が日本に適しているのか
疑問を投げかけている。同感。
一箇所引用。
「これまでも従業員という言葉を使ってきましたが、「従業員」、
すなわち「業務に従っている人」という捉えかたは適切ではないと思います。
つまり、従っているのではなく、自分が主体です。
従業員という言葉は今日的でないと思います。
ですから内部統制についても、統制される側ではなく、自分たちが統制する側なのだと
意識する必要があります。力を持った経営者が道を踏み外さないように、
従業員が統制していくこと。これも重要な内部統制の一つなのです」