ALWAYS 三丁目の闇夜

録画しておいた『ALWAYS 三丁目の夕日 』を見る。
東京タワーが建立されていた当時の街並みをCGで再現したのと、
お涙頂戴ストーリーで、感動がこだましたそうだが。
原作の西岸良平の世界は、伝わってきたし、
小雪扮する一杯呑み屋のオカミを見て
「あんな手足の長いモデル体型の女将なんて当時、いるもんかい」などと、
つっこみながらも、子役の名演技には不覚にも涙してしまった。
高度経済成長時代、誰もがそれなりに、貧乏から脱出できる上り坂のいい時代。
昭和30年代をよく再現したなとは思うけれども、
あの頃がよかった。懐かしいとは、思わなかった。なぜか。


それからNHKスペシャルの『ワーキングプア2』を見る。
こちらは真逆の、しかも、映画じゃなくて真実。
働けど、働けど…。景気はいいとか発表しているけれど、どこがやねん。
どこがどう違ってしまったのだろう。
節税なのか緊縮財政なのか、さまざまな福祉手当や補助金がカットとなり、
その分、再スタートする意欲的な人は支援するって、やっぱり解せない。
治療よりも予防だと、
やれメタボリックシンドロームを適度な運動とバランスのとれた食生活で予防する。
というのも、国の歳費の出し渋りの方便のような気がしてならない。
道路や新幹線に予算をバラまくなら、
女性の職能支援全般(この番組の女子大のセンセイがいっていたように
学費+習う間の生活費)をカバーしたほうが、生きた税金がつかわれるんじゃないだろうか。


マッチ売りの少女じゃないんだから、昔はよかった。あの頃はよかったと、
幻影を夢見るよりも、問題は、今日の生きていくためのすべだろが。
生かさず、殺さずの江戸幕府の手口かい。


ワーキングプア2』のように、いまが「報われない社会」だから、
いまの政権を支持して報われる社会にしましょう。なのか、
だから、別な政権にして報われる社会にしましょうなのか。
どうも見た印象が、ソ連崩壊後、ロシアになって「共産主義の時代は今よりもよかった」と
嘆いているロシアのお年寄りにダブってみえてしまうのだが。
ぼくたちが支持した(支持している)小さな政府の功罪の「罪」の方なんだけど、
うーん、重たいなあ、気分が。


NHKスペシャル|ワーキングプア 〜努力が報われる社会ですか〜


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