ダフとパンク

東京都美術館へ「大竹伸朗全景展」をやっと見に行けた。
入口付近に若い男子が立っていた。
「券、ありますよ」ってダフ屋かよ、すごいな大竹伸朗
浮いたお金でカフェでコーヒーを飲んで
コンビニおにぎりとパンで腹ごしらえ。
気合を入れてまず三階から。


聞きしに勝る作品量。有名なスクラッププックをショーケース越しに望む。
いやはや、すさまじいが、ちゃんとアートになってるところが感心。
びっくりしたのが、小学生時代の作品。
保存してあることも感嘆するのだが、そのうまさ、センスの良さ。
魅力的な線は、もう画家としてできあがっているようなそんな感じ。
う、うめえ。


中学、高校、大学とその時代の作品を見て回る。
アートと音楽とたぶん文学も彼の才能の中には渾然一体となっており、
同世代のぼくも納得できてしまう。
ぼくが、彼の作品に驚かされたのは、
確かロットリングのアートコンテストで賞をとった「ミスター・ピーナッツ」
なのだが、ホックニー湯村輝彦その他当時のアートポップカルチャーが、
浮かび上がってくる。
DEVOを描いた絵なんてほしいと思ったもんね。


ぼくはコラージュの作品よりも
線画や色鉛筆で描いた作品が好きだったが、
今日見たものでは、日本の風景画が予想以上にチャーミングだった。
バタくさい作風のはずなのに、淡色で描かれた風景は、
なぜかわびさびを感じてしまう。


それと「高く評価されている」という「網膜」シリーズは、
生命と宇宙の神秘をイメージさせる。
常設するならば、たぶん、見るたびに新たな発見をさせてくれる絵だ。


毎日描くことが画家の仕事であり、日常なんだけど、尋常ならざる点数は、
そんなにアートの神様がとり憑くのか、好きなのか。天職なのか。
『ジャリおじさん』のキャラの絵皿がディスプレイしてあった。
あれをなんで販売してなかったのだろう。


12月24日までなんで、まだの人はハリ・アップ。
館内は暖房がきいているし、膨大な作品を見るのでかなりの時間、歩く。
ミネラルウォーターなどの用意もお忘れなく。


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