大学で紅葉見物

ぜつぼう

ぜつぼう

取材初日。舞台の初日といっしょで、これからがよくなる(たぶん)。
限られた時間内の勝負なんて大げさだけど、
かなりレベルが上のいまどきの大学生の生態を見て、
きわめてマジメで、一生懸命でなんだかほっとする。
昔見た映画『ペーパーチェイス』の日本版のような心持ちのまま、
あわただしくインタビューをする。
へろへろになって帰宅。


行き帰りの電車内で本谷有希子の『ぜつぼう』を読了する。
気になっていた作者の本を読むのは、はじめて。
いっときは世界ヒッチハイク旅行で人気になった日本人とロシア人の漫才コンビ。
その日本人の男の方が主人公。
なまじっかピークを極めたもんだから、あとは堕ちていく一方。
まさに、ぜつぼう状態なんだけど、偶然知り合った人の実家に行くことになる。
無人のはずの実家には、何やらいわくありげな女性が住んでいた…。
梗概を紹介してもしょうがないんだけど。
当然の如く演劇的といえば演劇的。
苦いユーモア、リアルタイムな寂寥感はあるのかもしれないが、
いまひとつ感情移入することができなかった。
ストーリー展開が予定調和すぎるのだろうか。
小説というよりも戯曲に近い読後感。


それにしても大学のキャンパスで紅葉を眺めるとは思わなかった。


人気blogランキングへ