『萌えの研究』を研究

萌えの研究

萌えの研究


朝早い電車を乗り継いで打ち合わせ先へ。
多摩川の朝日がまぶしくて、西国立から見えた真っ白な富士山が神々しくて。
はじめて多摩都市モノレールに乗る。
西川美和監督の映画『蛇イチゴ』に出てきた。
延々とつながっているように見えるモノレールの風景は、
未来のようであり、過去のようでもあり、不思議な印象を与える。
今日は珍しくネクタイオヤジなんだけど、
『萌えの研究』大泉実成著を車内で読むってどーよ。
この本のカバーがまたあやしくって。じゃあキモオタオヤジか。
綾波レイ萌えした作者が身をもって「萌え」を体験するもので、
この人の体当たりには、いつもカンタンさせられる。


「人はなぜ、二次元キャラクターに恋するのだろうか」
はじめのうちは、まだ、萌え=オタク=ゲーム=ヴィトゲンシュタインとか
述べている。さすがに中央大学木田元の薫陶を受けたらしく、
左脳的記述なんだけど、ライトノベル、テーブルトークR.P.G.、美少女ゲーム、
コスプレキャバクラ、漫画、アニメと萌えワールドをどんどん追体験していくうちに
しまいにゃ右脳というか、すっかり萌え状態になってしまった。


ライトノベルを片っ端から読んで、いいものはいいと認めている。
ライトノベル界の「古典」といわれる」『ロードス島戦記』は、
ノベルにするために、一度R.P.G.にしてから、再構築したそうだ。


テーブルトークR.P.G.を作者と担当編集者が体験するのだが、
ここはかなり興味を覚えた。
そのキャラを演じるのだが、演じることを通して
素のままの自分が出てしまうという。
自分を見も知らぬ相手にさらけ出すことの心地よさ。
この手は、宗教や自己開発セミナーの常套手段なんだけど。
心のコスプレとでもいえばいいのか。何やらそのあたりがはまる要因のようだ。


作者は萌え=性的なもの、ではなくてカワイイものと、解釈したほうがわかりやすいと
述べている。クオリアなんてのも萌えに近いんじゃないかな。


人気blogランキングへ