ぬいぐるみとしゃべる人は-2

 

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

 

 『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』大前粟生著を読む。

残りの3篇の短いあらすじと感想。
 
『たのしいことに水と気づく』
ハリネズミカフェで恋人からプロポーズされた「私」。
妹とシェアハウスしていたが、妹は行方不明。
気にしながらもどんどん結婚が現実のものとなっていく。
彼の親、親戚。結婚式のだんどり。
彼の親からあやしい水が送られて来たり。
突然、妹とのラインに既読がつく。
結婚が決まると時間は超高速で流れ出す。

『バスタオルの映像』
子どものとき、バスタオルをかぶっておばけになって弟を笑わせた。
同じことをしたら、彼も笑った。
弟はお笑いコンビをやっている。
疎遠になっていた彼は正月に弟と実家に来た。おばけよりキモ…。
 
『だいじょうぶのあいさつ』
「断崖絶壁の上」の家に住む家族。
兄はひきこもりで「ネット」と繋がっていない?繋がりにくい?環境下で
パソコンで外界と「交信」している。
頭を痛める親。兄は自分の誕生日に友人を招く。
母と妹は兄に合わせて見えない友人をもてなす。
それに水を差す父親。
兄にカフカの『変身』の主人公、グレゴリー・ゴムザを思いうかべる。

そう言えば他の作品にも「だいじょうぶ」が出て来る。
英語だとno problem、広東語だと無問題(モウマンタイ)。
だいじょうぶじゃないときに、よく使うような気がする。