思い出ぽろぽろ

 

映画監督 神代辰巳

映画監督 神代辰巳

 

 先週末は分厚い『映画監督 神代辰巳』をずっと読む。
特に初期の日活ロマンポルノから他社の神代監督の作品は、
ほとんど見ていた。
文芸座など池袋の二番館・三番館で。
十代終わりから二十代半ばか。

 

思い出ぽろぽろでレビューにならなくて困る。
以下ランダムに感じたところを。
 
〇監督デビューが40歳過ぎ。遅咲きだが、結果的に日活ロマンポルノで
開花した。
 
ゴダールが好きだったとは意外な感じ。ゴダールの映画との類似性はどこだろう。
 
〇純文学好きで文芸月刊誌を愛読していた。
なるほど。だから、古井由吉(『櫛の火』)や丸山健二(『アフリカの光』)、
中上健次(『「赫髪』)、石川達三(『青春の蹉跌』)の作品を映画化したのか。
 
〇母性本能をくすぐるタイプだったのだろうか。女性が気を許せるタイプだったらしい。女優のインタビューから知ることができる。
 
黒澤明のような完璧な映画づくりではなく、面白ければ現場スタッフや役者のアイデアも即採用するような監督だった。ま、納期、予算が厳しければそうせざるをえないけれども。
 
〇『青春の蹉跌』は長谷川和彦が脚本を書いた。原作とはかなり違うようだが、だって主演が萩原健一桃井かおりだぜ。映画につられて原作も売れたそうで、それが後の角川商法(映画と本のメディアミックス)のヒントになったとか。

とにかく「神代辰巳事典」。いたれりつくせり。索引も作品と人名で調べられる。
 
〇日活で人気のあった監督は藤田敏八だが、鈴木清順監督の『ツィゴイネルワイゼン』に俳優で出ている。いまでいうなら吉田鋼太郎的魅力かな。
 
神代辰巳竹中直人監督の『無能の人』に鳥男役で出ている。
つげ義春の原作漫画とそっくり(↓)でびっくりした。

 

f:id:soneakira:20200616132415j:plain

 

人気blogランキング