書き下ろし・訳し下ろし・大根おろし

童話『北風と太陽』ではないが、日増しに薄着になっていく。
このままいくと7月は全裸でんな~とボケてみる。
昼は手抜きで流水麺のそば。
もずくと納豆に大根おろし。うま~。
 
『小説版 韓国・フェミニズム・日本』を読む-1。
『完全版 韓国・フェミニズム・日本』から小説のみで編集。
作家が手を加えたり、新たに書き下ろし・訳し下ろしをプラスした12作品。
そこから短い感想を。
 
『追憶虫』デュナ著 斎藤真理子訳 訳し下ろし
最もインパクトのあった作品。

「追憶虫」は「地球外寄生虫」。「呼吸器を通して感染」する。
「特徴は、前の宿主の記憶を次の宿主に伝えるという点だ」

 

死に至る病ではないようだが、感染すると、知らない記憶がインストールされるのは、
想像するだに、厄介、迷惑。
場合によって他者の記憶が宿主をコントロールする。

「感染者は咳によって、その情報を持った幼虫を四方へまき散らす」

 新型コロナウイルス同様マスクが有効なのかも。

ブライアン W.オールディスの『地球の長い午後』に出てくる寄生植物アミガサタケを
思い浮かべた。
他の作品も読んでみたい。
 
『京都、ファサード』ハン・ガン著 斎藤真理子訳
日本人と結婚して京都に暮らしていた今は亡き友人の思い出。
次々と思い出すことが、疎遠になりつつあった関係を修正、供養につながる。
散文というか文体がすんなりしみてくる。
ファサード」は建物の正面だが、人の場合は表面とかたてまえを言うらしい。
同じ京都の異邦人つながりでなぜか
マイケル・フランクスの「Christmas in Kyoto」などを聴きながら読んだ。

『桑原さんの赤色』松田青子著 書き下ろし
なかなかアルバイトが決まらなかった女子大生。
やっとバイト先でいつも赤いアイシャドウの女性が気になる。
なんでも地雷メイクが流行っているそうで。
同じ赤いアイシャドウでもこちらは「復讐」の覚悟のメイクらしい。
時代は青鞜(ブルー・ストッキング)から赤瞼(レッド・アイシャドウ)。
赤いアイシャドウの女性たちが街を闊歩する。
ラストが決まっている。