短く

短く読んだ本の感想を。ディストピアものが続くが、
ソフト路線、ハード路線があって奥が深い。
ユートピアものなんてほんと、読みたいだろうか。
 

 

ウィリアムが来た時

ウィリアムが来た時

 

 『ウイリアムが来た時』サキ 著 深町悟 訳を読んだ。

ドイツ帝国支配下となったイギリス。ロンドンの上流階級では
親ドイツ派と反ドイツ派になんとなく分かれる。
しかし、否応なしにイギリスのドイツ化は進む。
イスラム化してしまうフランスを書いたミシェル・ウエルベックの『服従』とか。
フィリップ・K・ディックは『高い城の男』で日本・ドイツに占領されるアメリカを書いた。
『ウイリアムが来た時』、話はユーモアをまじえながら緩やかに進む。
かえってそれが怖さを引き出す。

 

侍女の物語 (ハヤカワepi文庫)

侍女の物語 (ハヤカワepi文庫)

 

 

侍女の物語』マーガレット アトウッド著  斎藤 英治訳を読んだ。
少子化を脱却するために、女性はおしゃれ、化粧などすべてのものを剥奪され、
出産マシーン扱いされる。
監視下され自由はない。主人公はかつての日々を追想し、現実逃避する。
セックスは快楽ではなく本来の生殖に重きを置かれる。
風刺、寓話にしては重々しく、リアリティがある。
結構エロティックでMっぽい。
 
関連してディストピアものレビューを紹介。