翻訳療法

 

中国怪奇小説集 新装版 (光文社文庫)

中国怪奇小説集 新装版 (光文社文庫)

 

 夜の仕事が2週間近く休みなので

ラジオCMコンテスト用の20秒ラジオCMを考え中。
ほとんどはダメだったが、中には入選、佳作、最終候補になったものもある。
 
近所のスーパーマーケットでは1リットルのミネラルウォーターが売り切れていた。
乾電池も。
 
中国怪奇小説集 新装版』岡本綺堂著を読む。
 
綺堂が英語に堪能で
コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』シリーズを原書で読んで
半七を書くきっかけになった話はファンには有名。
幕臣だった父親が縁あって英国大使館に勤務したことが
英語に強くなったのだが。

実は、英語の前に漢学を幼い頃、父親から習っていたそうな。
その実力のほどは、この作品を読めばわかる。
 
多数ある「中国の怪奇譚」から気に入ったものを「年代別に」選んで
そのエッセンス(抄出)を紹介する。
「名訳 220種」。
バラエティに富んでいて愉しい。
怪奇、幽霊、妖怪、モンスター、怨念、不条理、超自然…。
まさに1冊のお化け屋敷、ホーンテッド・ハウス。
たとえば落語『牡丹灯籠』のもととなった『牡丹牡丹燈記』が載っている。
これを読むと、三遊亭圓朝がどう噺に尾ひれをつけたかがわかる。
こちら方面で何か書きたい人は、一読をおすすめする。
 
養継子・岡本経一の解説を読むと、
「神経衰弱から不眠症」となって創作活動は一時休止。
その合間に、気分転換の意味だろうか、
翻訳とまとめにかかったそうだ。
 
創作と翻訳。
村上春樹の先駆けとも言える。
村上春樹も良い気分転換になると言っていた気がする。