エッジとヘッジ

 

ルポ 川崎(かわさき)【通常版】

ルポ 川崎(かわさき)【通常版】

 

 

『ルポ 川崎』磯部涼著を週末に読む。
 
川崎の初体験は大学時代、週に一度体育の授業で
武蔵小杉まで通ったことだ。
当時はタワーマンションなんか影も形も無くて
工場と個人商店の商店街があるって感じだった。
 
次は会社の同僚の親が持っていた登戸のマンション。
ルームシェアで1年間住んだ。
窓を開けると南武線の線路が見えた。
何もすることのない日曜は、川崎球場へ行った。
ロッテファンではないが、
ぶらっと出かけて確実に観戦できたからだ。
球場までの風景はなかなかにディープだった。
 
その次は同じ川崎球場
雑誌広告で落合選手のことを書いた原稿を
当人と広報にチェックしてもらいに。
短時間だったが、落合の強烈な個性を知ることができた。
監督になってもぶれない人だ。
 
長いマクラ。
川崎は、ロンドンの住宅のようにバックヤード(裏庭)が長い。
山側は閑静な高級住宅地の麻生区、タワ―マンションが林立する武蔵小杉など
一括りにはできない。
 
この本は主に川崎駅周辺、いわゆる従来の川崎イメージの強いエリアを
ルポルタージュしている。
 
古くは神奈川金属バット両親殺害事件、川崎市中1男子生徒殺害事件、
川崎市登戸通り魔事件。とあげると物騒なところと思われるが、
東京だってググれば、これくらいの事件は拾える。
 
ガラが悪い、不良、移民が多い、犯罪が多い。
タトゥー、酔っ払い。
血縁、地縁が濃い、新参者にやさしい。
悪い点、良い点が複雑に混在しているエリア。
 
中学校間の長年の抗争は『ビー・バップ・ハイスクール』よりも
なぜか『ウエスト・サイド・ストーリー』のほうがぴったりくる。
 
ラップ、ヒップホップやダンス、スケボーなどのサブカルチャー
自分自身の表現方法であり、
結果的に、現状からのエクソダス(脱出)の手立ての一つだった。
根底にあるヤンキー的、LDHなもの。
そこは芸能界の元ヤン度の高さに通じるような。
インタビューで語られる半生は、それぞれに異なっていて興味深い。
 
来訪者にやさしい、異文化にも抵抗がない。
ゆえにヘイト・デモに屈しない。闘う。
素晴らしい。

ここに突然、友川カズキが出て来るのにはびっくりした。
若い人は知らないだろうが。
YouTubeに楽曲があるはず。
孤高のフォークシンガーは、川崎がねぐらだったとは。

古くから住んでいる人たちには
何やらセーフティネットのようなものができているのだろうか。
生きることへの熱を感じた。
川崎ラゾーナ、行ったな。
フードコートが若い家族連れでごったがえしていた。

岡崎京子の『リバーズ・エッジ』が読みたくなった。

書きますた
オリックス生命 BAKUBAKUヴィレッジ
カイセツ教授のビジネス・コーチング  子育て応用編
第4回 「ヤーキーズ・ドットソンの法則」

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