体温が5度下がる

 

羆嵐 (新潮文庫)

羆嵐 (新潮文庫)

 

 

羆嵐吉村昭著を読む。


巨大な人食い羆と
開拓民などとの抗争を描いたノンフィクション。
評判の高さは知っていた。

 

北海道の厳しい自然。
とりわけ「天塩山麓」は環境が劣悪。
やっとの思いで開墾した畑も
結局、イナゴの大量発生で喰いつくされる。

 

新しい入植先も乳と蜜の流れる地とは程遠いが、
なんとか死なない程度の暮らしはできる。

浜はニシン漁で好景気に沸いているというのに。
なんたる格差。

 

そこへ突然、出現する羆。
姿は見せない。
無残な子どもや母親の死骸。

 

再び入植先を捨てることを決意するが。

開拓民では太刀打ちできず警察や
熊撃ち名人に依頼する。

 

熊撃ち名人は孤高の老人。
腕は確かだが、性格は最悪。

 

羆をチラ見させ、怖さをあおっていく。

 

参考資料と綿密な取材がベースだけど、
ディテールが実にリアル。

 

たとえばいざ撃とうとしたら
不発だった猟銃。

羆が骨を砕きながら食べる音。

羆は女性の肉に味をしめ、
女性の匂いのするものを物色する。

無能な集団よりは
俊敏な個人の方が危険時では勝る。

 

怪物ホラーとしても一級品。
『白鯨』とか『ジョーズ』とか。
そうそう熊撃ち名人ってエイハブ船長みたいだし。


いっそのこと、羆目線から
書いたら、さぞ怖くなるだろう。

 

ジョン・フォードの西部劇のように男くさい。
クリント・イーストウッドに再映画化してもらうのはどうだろう。

 

アニメ『ユリ熊嵐』とは関係ないのだろうか。
ガウガウ!

 

書きますた

オリックス生命 BAKUBAKUヴィレッジ
カイセツ教授のビジネス・コーチング 子育て応用編
第1回 「サンドイッチ話法」
https://www.orixlife.co.jp/bbv/kaisetsukyouju/20190613.html

 

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