やだな~こわいな~

 

 

『三浦老人昔話 岡本綺堂読物集1』岡本綺堂著を読む。

 

三浦老人って「岡っ引き半七の友人」だそうだ。
怪談の名手・三浦老人が話すこわい話、不思議な話、
しみじみする話など
12篇にボーナストラックが2篇。

 

江戸末期からご維新を経て明治時代へ。
時代が大きく変わることは
成りあがる人、おちぶれる人など
さまざまで私怨などの量も私怨計量計の
針が振りきれるぐらいだろう。

 

三浦老人は明治時代の稲川淳二か。
すべてがすべらない話。

 

前の『探偵夜話 岡本綺堂読物集4』のエントリーで
アニメ化がいいと書いたけど、
まんま落語や講談、ラジオドラマにいいだろう。

 

3篇ばかし、短く感想を。

 

『置いてけ堀』
「本所七不思議」で名高い置いてけ堀のリメイク版。
置いてけ堀で釣り上げた鰻を入れたビクになぜか蝮が入っていて。
「置いてけ」という声をシカトした祟りか。

 

『刺青の話』
刺青は粋でいなせな若衆の証だそうで。
その痛さは大変で男性よりも女性の方が生来我慢強くて耐えて
見事な色の刺青を彫り上げてもらう。
体の弱い若者が「惚れている女性」の母親に
刺青がないのは男じゃない的発言をされて
命と引き換えに刺青を入れてもらう。

 

『矢がすり』
矢場(矢を射る遊技場)に人気の美女がいた。
不似合いなほど優雅なたたずまい。
美しいご尊顔の「右の頬にうすいかすり疵のあと」が。
いつしか矢がすりの着物が定番に。
トレードマークとなってますます売れっ子の矢場嬢に。
キャバ嬢ではない。
彼女を目当てで通う若侍。
突然、失踪する矢場嬢。

 

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