読み終えるまで50数駅

 

フィフティ・ピープル (となりの国のものがたり)

フィフティ・ピープル (となりの国のものがたり)

 

 

東宝の社長シリーズのような
トランプ米大統領へのおもてなし。
誰が森繁で、誰が三木のり平

 

気分が重たい理由の一つは、
ツバメの季節なのに
東京ヤクルトスワローズは連敗のどん底にあること。

 

『フィフティ・ピープル』チョン・セラン著 斎藤真理子訳を読む。


主に病院やさまざま病気を題材に
診る人、診られる人をクロッキーでささっと描いたような感じ。
ま、病気や病院ばっかじゃないけど。

 

本編と作者と訳者のあとがきで全部で50数篇。
隣の駅に着くまでに1篇読める。
ということは単純計算で読了まで50数駅。
通勤読書は往復なので、20数駅。通勤の駅数で変わる。

 

スライス・オブ・ライフ。
一時期企画書に多用した言葉だけど、
この本にぴったりの言葉。

 

キャラクターやシチュエーション、話の喜怒哀楽のトーンが巧み。
雑誌で言えば「Tokyo graffiti(東京グラフィティ)」。
文字であらわしたドキュメンタリー風。

 

キャラクター名がタイトル。それぞれをイラストレーションでアイコン化している。
これが効いている。
訳者の提案だそうだ。ただ拍手。

 

バラバラに思えたキャラクターたちが
最後に出会うが、このアイデアもやるなあ!って感じ。

 

共感って言葉が日常あるあるネタ的扱いで安っぽくなったが、
この本には従来の共感がある。
すぐ読めるが、話によっては深く響いてしばらく反芻したことも。
読む人によってそう思うところは違うだろう。

 

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