- 作者: リチャード P.ファインマン,Richard P. Feynman,大貫昌子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/01/14
- メディア: 文庫
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ベストセラーよりもロングセラー、ロングテールだろ、本も。
と思いたい。
『ご冗談でしょう、ファインマンさん』(下)R.P.ファインマン著 大貫昌子訳を読む。
初来日のエピソードがいかにもらしくて。
「フランク・ロイド・ライトの設計した東京のホテル」が用意される。しかし、
「ヨーロッパのホテルの完全なイミテーション」と教授は思う。
そういうときは日本の漫才師の人気ギャグを言うことを伝えたかった。
「オーベイカ⁉」
教授は「日本式の旅館に泊まりたい」と。
やっと願いが叶って日本情緒を味わう。
ユカタガウンにフトン。
オ・モ・テ・ナ・シ。インバウンド。
入浴はどことなく儀式めいていて、
風呂場には先客がいた。
誰あろう、湯川秀樹教授。文字通り裸のつきあい。
ドラムもたたいて絵も描く。
カジノにも出入りする。
自由人ゆえ外国語にも異文化にもすぐになじんでしまう。
ノーベル賞受賞後、内外での講演会の依頼が増えたが、
依頼元のお役所や大学の手続きの煩わしいこと。
その都度書類がいる。これはアメリカとてそうなんだ。意外。
ノーベル賞授賞式のパーティーで同席していた日本大使の発言。
「日本が急速に発展した理由」
「とにかく日本人は向上するには子供を自分以上に教育することしかない、そのためにはぜひとも百姓仕事から脱出せねばならんと信じている。
だから子供たちが学校でよく勉強するように、どんどん前進するよう励ます熱気が家庭の中にみなぎっている。―略―このような姿勢のおかげで、外国からの新しいアイデアはこの教育システムを通して容易に伝播され、浸透して拡がってゆく。これがまあ日本の急速な発展の一つの理由とでも言えましょうね」
ファインマンの科学者としての信念
「科学者として話しているとき、たとえ相手が素人であっても決してでたらめを言ってはならないということです。―略―あくまでも誠実に、何ものもいとわず誠意を尽くして、諸君の説に誤りがあるかもしれないことを示すべきだということです」
「正直であれ」これが「えせ科学」に陥らない、お先棒を担がない基本的スタンスだと。
「正直であれ」これが失敗の拡大を防ぐ。
「正直であれ」は、セールスマンだった父親のモットー。