猫と不思議ちゃん

 

 

『猫のまぼろし、猫のまどわし』東雅夫編を読む。

 

猫は不思議ちゃん。
つーことで古今東西、猫と不思議をテーマにしたものを
コンピレーションした一冊。

 

猫町
萩原朔太郎登録商標か地方の銘菓のネーミングのようだが、
この字面だけでなんだかわくわくする。
映画『犬ヶ島』はいいけどな。
犬町。では、こうはいかないだろう。
猫街ろまん。
詩集『月に吠える』の『おわあ、こんばんは』というフレーズが口をつく。

 

『古い魔術』ブラックウッド著 西條八十訳から
猫町江戸川乱歩著から
萩原朔太郎稲垣足穂江戸川乱歩著へ。
これは見事な選曲、つなぎ巧者のDJってところ。

ランプ(洋灯)とホタル(蛍)。
間違い。
乱歩と足穂。

 

『猫騒動』岡本綺堂
棋士のひふみんが猫好きで
自宅で野良猫にえさをあげて裁判になった。
同様に、猫好きが高じて沢山の猫を長屋で飼っている老母。
苦情が出て猫たちを手放すことに。しかし…。
前回のエントリーで時代劇はいいとか言ったが、
この作品は良かった。
岡本綺堂、やばい。

 

猫と言えば鍋島の化け猫騒動が有名だが、
まずは編者が本家『鍋島猫騒動』の絵草紙を解説。
それから『ナベシマの吸血猫』ミットフォード著 円城塔訳を読む。
ケン・リュウの短篇の如き味わい。

 

真打、『白い猫』レ・ファニュ著 仁賀克雄訳。
おおとり、『猫の親方』ペロー著 澁澤龍彦訳。

 

猫話を満喫、満福。

猫を桃太郎の家来にするなら、
きびだんごではなくて
チャオちゅーるかな。
うちの猫も好きだった。

 

でも、それ目当てで
猫が押しかけて
「ハメルーンの笛吹き」状態になったりして。


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