八重桜の下

 

郵便局と蛇: A・E・コッパード短篇集 (ちくま文庫)

郵便局と蛇: A・E・コッパード短篇集 (ちくま文庫)

 

 

八重桜の下 候補者のポスター 笑顔 笑顔 あ 駅前に 1人 いた

 

今週の通勤本。
『郵便局と蛇 A・E・コッパード短篇集』西崎憲 編訳を読む。

 

コッパードは『恐怖の愉しみ』平井呈一編訳に
『消えちゃった』が収められている。
コッパードというのは忘れていた。内容は覚えているが。
『恐怖の愉しみ』は、古本で入手したが上下二巻の名アンソロジー

平井はコッパードを「短篇の達人」と評している。

確かに『消えちゃった』は、見事な着地。

 

『郵便局と蛇 A・E・コッパード短篇集』は、
寓話風、童話風など風変わりな話が10篇。
一応、風変わりと書いたが、どんぴしゃの言葉が見つからない。

 

「銀色のサーカス」
主人公は、どこかフェリーニの『道』の荒くれ男に似ている。
ずっと年下の嫁に逃げられた男は、
ひょんなことからサーカスに出ることになったが。
まさかそこで…。

 

「郵便局と蛇」
幻想的な一枚絵が浮かぶ。シャガールあたりの。
郵便局員と巨大な蛇。
ナンセンスな漫画ともいえる。
佐々木マキあたりにコミック化してもらいたい。

 

「若く美しい柳」
電柱と柳の恋物語。奇抜か。いやいや。
宮沢賢治を彷彿させる。
奇妙と思うか、微笑ましいと思うか。読み手次第。


編訳者の丁寧な「A・E・コッパードについて」で
人となりを知ることができる。

 

キリスト教に造詣が深ければ、読後感もかなり違ったはず。

すき間時間に読める短篇集。文庫本ならかさばらずベスト。


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