花散らしの雨

 

不気味な物語

不気味な物語

 

 

東京の桜ショータイムは終演。

妻は台湾バンドのおっかけで大阪へ。

昨夜、テレビでは選挙特番。
不愉快になったので
音楽を聴きながら麦焼酎ソーダ割りを飲む。


『不気味な物語』ステファン・グラビンスキ著 芝田文乃訳を読む。

 

渋澤龍彦の「書斎のエロティシズム」に倣えば、
書斎の恐怖小説あるいは怪奇小説
書斎の怪談となる。

 

ちょっとだけ、さわりを。

 

「シャモタ氏の恋人」
愛する女性が外国から帰って来る。
再会。燃えるようなひととき。
ミステリアスで退廃的な彼女。
身体の異変に気づく。実は彼女は…。

 

「サラの家で」
正真正銘の美魔女、サラ。アンチエイジングの権化。
医師の友人は文字通り骨抜きにされる。
正体を暴こうとする医師。

 

「投影」
著名な建築家が修道院の廃墟に魅せられる。
何やら出るという噂も。
建築家は鍵の影など影におびやかされる。
日記では廃墟に出入りして「13日目」。
「洗礼盤の影」から「巨大な男根が屹立」しているのを見る。
行方不明となった建築家。
修道院の地下道」で遺体で発見される。
「警察の死因報告」が、むごらしい。


ゴシック小説 のお約束を忠実に踏まえた新作ゴーストストーリー。
古典落語を翻案した新作落語的な。

 

ふと芥川 龍之介を思った。根拠はないが、似たところがある。
異国情緒、異端などなど。

 

ステファン・グラビンスキ(1887年2月26日 - 1936年11月12日)
芥川 龍之介(1892年3月1日 - 1927年7月24日)
Wikipediaより

同時代人だし。

 

フロイトの『夢判断』(1900年刊行)や『精神分析入門』(1917年刊行)は

読んでいた気がする。想像だけど。

 

幻視や幻覚を病気の症例にするのは一見、理屈が通っているように思われる。
でも、なあ。

 

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