一雨ごとの

文豪怪談傑作選 芥川龍之介集 妖婆 (ちくま文庫)

文豪怪談傑作選 芥川龍之介集 妖婆 (ちくま文庫)


意外と長くやや本気で降った雨。
一雨ごとの寒さかな。
企画をまとめる。

『文豪怪談傑作選 芥川龍之介集 妖婆』東雅夫編を読む。
芥川は小・中に読んでそれ以来。
古今東西、小さい頃から根っからの怪談好きという視点から
とらえたこの本を読むと、まったく新しい芥川が浮かんでくる。
発売直後の『遠野物語』の数少ない愛読者の一人。
怪談を自ら熱心に蒐集して編纂した『椒図志異』。
今なら都市伝説。
芥川は今昔物語などをリミックスして話をつくった。
古い話だから新しくない。んなことはない。
新しい話でも古臭いなんてものはいくらでもある。
『死後』という掌編は、星新一ショートショートみたいだし。

その当時、マンガが小説よりも盛んだったら、
絵心のある作者は怪奇幻想漫画家になっていたかもしれない。

江戸末期、京橋川の大根河岸あたりに河童がいたとか。
鵠沼海岸へ蜃気楼を見に海水浴に行った。
ゴーギャンの画集を見ていた。
ポーは原書で読んでいたのかな。
内田百間(ケンが出ないんだよ、ハテナ)の『冥途』、

評論家には評価が低かったみたいで
その良さを述べているが、実に的確。
これはいまも同じだろう。
大正時代は「怪談黄金時代」だったそうな。
大正デモクラシーは知っていたが、大正ホラーとは。

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