ぼっちホラー

 

余りにも評判がいいので『へレディタリー 継承』を見る。
誰か誘おうとしたが、断られたので一人で。ぼっちホラー。
夜、見るのは怖いので午前中を予約。
封切間もないのにさすがに平日朝8:50の回はガラガラ。

怖い、キモい。でもよくできている、
シークエンスも、登場人物も、ストーリーも。
できるだけネタバレしないように感想を。
冒頭、祖母、母親の実母の葬儀から始まる。

愛しているが、愛せない。でも、愛している。
ヤマアラシのディレンマの典型的な家族。
最初に起こしたアクションが後半につながってくる。
そうか、そうきたのか。
母親の表情が百変化、それに引きかえ娘は能面のように無表情。
大学教授の父親はインテリゆえオカルトを認めない。
はじめは平凡なバカ息子が…。

エキセントリックな血は祖母、母親、娘に流れているのかと思ったのだが。
悪魔崇拝つーか反キリスト教主義か。
霊媒師、降霊、こっくりさんなどオカルトのお約束を踏まえつつ。
最後のシーンはゴヤの絵とかウィリアム・ブレイクの銅版画のよう。

ずっと流れている低ノイズの音楽がじわじわくる。
視覚や聴覚につべこべ言わさず入って来る。
よくできたお化け屋敷に入ったような気分。
娘の癖である舌打ちの音が夢で聞こえそう。
シャーリー・ジャクスンあたりが好きな人なら、ぜひぜひ。
これで監督デビュー作とは。高い完成度。

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