元祖怖いい話

夢と幽霊の書

夢と幽霊の書


『夢と幽霊の書』アンドルー・ラング著 ないとうふみこ訳を読む。
怪談、不思議話を蒐集した本の元祖だそうだ。
著者とコナン・ドイルの関係。
夏目漱石の小説にも出て来ることを
吉田篤弘が書いた巻末の「120年の時を経てあらわれた幻の本」で知る。
「1910年刊行」だそうで。
ともかく章立てがナイス。引用する。

 


「第一章 夢
 第二章 夢と幻視
 第三章 水晶玉による幻視
 第四章 幻覚
  第五章 生き霊
 第六章 死者の幽霊
 第七章 目的を持って現れた幽霊
 第八章 幽霊
 第九章 幽霊と幽霊屋敷
 第一〇章 近世の幽霊屋敷
 第一一章 さらなる幽霊屋敷
 第一二章 大昔の幽霊
 第一三章 アイスランドの幽霊
 第一四章 さまざまなおばけ」

 

 

蒐集なので小説のような面白みはないが、
事実関係を淡々と記されたものを読むと
いやいや小説に勝るとも劣らない面白さがある。
ホラーやミステリー、SFなどの生な素材がゴロゴロしている。

民話などの採集・蒐集は
グリム兄弟やら柳田 国男の『遠野物語』、小泉八雲の『KWAIDAN』などがある。
松谷みよ子学校の怪談、都市伝説の類書も本書の流れを汲んでいる。

ちなみにフロイトの『夢判断』が刊行されたのが1900年。
精神分析入門』が1917年に刊行されている。

革の表紙に銀の型押し風、古めかしい洋書ハードカバー風の装丁は
クラフトエヴィング商會。

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仮想通貨を3日以内に所定の口座に支払えというスパムメール
その怪しげな翻訳調の日本語は、
怪談の一種かもしれない。


怪談前後



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