君に捧げるほろ苦いブルース 

羞恥

羞恥


『羞恥』チョン・スチャン著 斎藤真理子訳を読む。
脱北者」の物語。
北朝鮮に失望してそれぞれ命がけで韓国へ。
彼らに韓国政府は最低限の生活支援、金を渡す。
たぶん乳と密の流れる地のような憧れは抱いてなかったと思うが、
自由など生きる喜びを実感できる日々が送れるはずだった。
だが、現実というか世間の目はことのほか脱北者に厳しく。
折にふれ感じる孤独感、疎外。
マルクスに倣えば労働者は資本家(資本主義)から搾取され、疎外されると。
脱北者は生きがいを搾取され、疎外される。
誰から、同胞から。
そのあたりをリアルに綴る。

似た光景を思い浮かべる。
3.11で福島第一原子力発電所事故に遭った帰還困難区域の住民。
地元には住めないので県内・県外に移住する。
そこで起きたことが、「脱北者」の物語と類似している。
働きたいが、経験を活かせる仕事はなかなかない。
公営住宅の空き家が仮住まい。
時間はある。貯えに賠償金を足しにして故郷に見切りをつけて
家を建てる人もいる。
朝からパチンコ、ギャンブルに興じる人もいる。
同情と避難はリバーシブル。
なんらかしらのメリットがあれば、ちやほやするかもしれないが、
いわゆるよそ者には厳しく、警戒される。

出入国管理法が大急ぎで改正されようとしている。
インバウンドブームで
ぼくの住む街でもキャリーバッグをガラガラ引きずる外国人を目にする。
ホテルなどはない。民泊だろう。
たまたま見た「報道ステーション」で、
かつて日本で働いていた日系ブラジル人が紹介されていた。
ブラジルよりもはるかに稼げて治安も良い。
骨を埋める気でいたが、リーマンショック
まっ先に解雇されやむなく帰国。
売り手市場の外国人労働者がはたして獲得できるのだろうか。
移民を異民扱いすることなく。

脱線してしまったが、居場所がなかったり、疎外されることは
他人事ではなくてあなたにも、ぼくにもあり得ることなのだ。

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