いきなり風は変わる

ゆみに町ガイドブック

ゆみに町ガイドブック


『アフター6ジャンクション』で堀米泰行のライブを聴く。
セクスィ・ボイス。
やっぱり、キリンジは彼がいてのキリンジ
オフコース鈴木康博がいてのオフコースだし。
タイガースは加橋かつみがいてのタイガースだし。
キリがない。
てなわけでキリンジのベストCDが今日のBGM。

『ゆみに町ガイドブック』西崎憲著を読む。
中心のような周縁 周縁のような中心。
彼岸と此岸。
旧市内と新市街。
過去 現在 未来が 混在するような町。
この風景は本物なのか 偽物なのか。
出てくる人物は生きているのか 生きていないのか。
リアルなのか 虚構なのか。
たぶん すべてが 真実。


小さい頃に住んでいた町を 訪ねる。
通っていなかった道路ができて。
大型のショッピングセンターができて。
住んでいた借家はマンションになっていて。
驚きはするが失望はしない。
脳内には町も借家も変わらない
あの頃の風景を投影してくれるから。


ゆみに町に起きた異変。
形而上と形而下、両面で。
感じる人もいればまったく感じない人もいる。
感じない人は住民が異星人に乗り移られても気づきはしない。
最後に ズームアウトしていくと
ジョルジョ・デ・キリコの絵のような、ゆみに町の光景が。
脈絡がないと思われる断片断片が、合体して物語になる。
それは共感覚で分かち合えるもの。
この本を読んでまったく何も感じなければ
あなたは異星人の寄生体になっているかもしれない。

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