アレサとアラン

幸福論 (岩波文庫)

幸福論 (岩波文庫)

 

遅ればせながら、アレサ・フランクリンに魅了されている今日この頃。
きっかけはピーター・バラカン山下達郎高橋芳朗のラジオ番組(敬称略)。
ブルース・ブラザーズ』に彼女が出て来て歌うシーンを覚えている。

『幸福論』アラン著を読む。
元は新聞に連載されていた「プロポ」(哲学断章)から
テーマを幸福にしぼって編集したもの。
文字数も多くなく、やさしくやわらかく書かれている。
長めのブログって感じ。
しみる。クイズ的な知識ではなくて
生きるヒントや救いになる。でも、説教臭くない。
何度も書くが、哲学の本来の意味は
「知を愛する」こと。ここにその答がある。
ちょっと引用。

 

「仕事は唯一のよろこび、それだけで満たされるよろこびであることだ。
わたしが言っているのは、自分で自由にやる仕事のことで、それはつまり、能力を示すわざであると同時に、能力が出てくる源でもある。
くりかえすことになるが、人にやってもらうのではない、自分でやることだ」

 


ハンナ・アーレント唱えるところの労働ではなく仕事、活動のことだろう。

 

悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」

 

 

名言。
不幸な出来事を嘆くのではなくて幸福への種子であるととらえる。
能天気にふるまえるのも才能だし。

ほら、ビジネスホテルで備え付けのデスクに聖書を置いてあるところがある。
その代わりにアランの『幸福論』を置いても遜色はない。
その日の気分でページをめくったところを読んでもいい。
その都度、新たな発見があるはず。

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