行動経済学は万能薬か

WORK DESIGN(ワークデザイン):行動経済学でジェンダー格差を克服する

WORK DESIGN(ワークデザイン):行動経済学でジェンダー格差を克服する


行動経済学ジェンダー格差を克服する』イリス・ボネット著 池村千秋訳 大竹文雄解説を読む。
女性活躍推進法を旗印に「女性の時代」の実現を目指そうとしている。
でも、実際は子どもが小さいうちは母親は家庭にいて
手作りのご飯を食べさせるのが愛情だという
旧態然とした考えも根強い。
ジェンダー格差」ぶっちゃけ言ってしまえば男尊女卑。
これを解消するには「行動経済学」が役立つという趣旨の本。

豊富な実験結果や具体例から導き出される考えはごもっともなものばかり。
同じ能力でも男性は自分の力を買いかぶりアピールする。
ところが女性は控えめにアピールする。とか。

「女性は、柔軟性の高い仕事を選ぶケースも多い」


育児や介護などフルタイムで働くのが困難な場合か。
これもテレワークなどの普及で
従来の会社に長時間拘束される働き方とは
さよならできそうだ。

ジェンダー平等のためのデザイン」

それには

 

「適切なグループをつくる」

 

ことだそうだ。まず、

 

「さまざまな視点と専門性の持ち主が互いに補完し合えるように、
突出した能力はもっていなくても多様なメンバーを集める」

 


「多様なメンバー」からの多様な意見。
すんなりいくには教育が大事。

以前生命保険会社で一般職から総合職に自ら手をあげて
異動した女性たち、10数名のインタビューをしたことがある。
ダイバーシティの一環と覚えているが、
社内に埋もれている優秀な人材を発掘することで
社内の活性化につながる。
体験談を通してより生な声を聴ける。
制度を知ることができる。
この本でいうところの

 

「同性のロールモデルが果たす大きな役割」。

 

 

女性の登用をマジで考えている担当者には
示唆に富んだ内容である。
最後に引用。

 

「娘がいる男性はジェンダーの平等を重んじる傾向があると
知っておく」


あなたの先輩や上司はお嬢さんをお持ちですかな。

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