幸福とは何か - ソクラテスからアラン、ラッセルまで (中公新書)
- 作者: 長谷川宏
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2018/06/20
- メディア: 新書
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この時期に東京オリンピックを開催するのは、
根性で日本人にメダルを取らせる作戦か。
書きあぐねている『幸福とは何か』長谷川宏著の感想。
長くなりそうなんで途中まで。
この本はソクラテスからヴィトゲンシュタインのお師匠さんラッセルまで。
古代ギリシャ時代から現在まで
哲学者が考えた幸福論を考察するもの。
歌は世につれ、ではないが幸福論も世につれ。
ってとこが面白い。
アリストテレス曰く
「最高善とは人間のめざすべき最高の目的であり、
それをめざすことが人間にとってこの上ない生き甲斐となるような目的で
―一部略―その最高善に当たるものが「幸福」だという」
作者は承服しかねると。
「ゆるやかさが足りない」と。
絶対幸福論とかカントの道徳律みたいなものはないらしい。
言えばウソっぽいし。だまされんぞと。
くり返すが作者が取り上げている佐野洋子の『100万回生きたねこ』。
最後にようやく死ぬことができて幸福な一生を終えたと。
生きる権利ばっか主張されがちだが、死ぬ権利も幸福やQOLと絡んでくる。
次は「快楽主義の名で知られるエピクロス」。
幸福と快について述べている。
快というとエゴ的に自分の欲望を満たす行為と思われがちだが、
エピクロスの快とは
「身体の健康と心境の平静こそが祝福する生の目的だ」
と。ふむふむ。還元すれば「幸福」ってことか。
その昔、漫画家・本宮ひろ志が
「桃缶の残ったシロップを飲むことが幸福だ」と
雑誌に書いていたと覚えている。
この項、続く。予定