ぼくもプレスリーが大好き

誰でもない (韓国文学のオクリモノ)

誰でもない (韓国文学のオクリモノ)


録音しておいた『ウィークエンドサンシャイン』を聴く。
D.J.はピーター・バラカン
エルヴィス・プレスリーの特集。
片岡義男ではないが、プレスリーは好きなので
久々にベスト盤CDを聴く。これしか持っていない。
時々大瀧詠一、時々西田敏行が歌っているのかと
そら耳してしまうが、歌声が色っぽい。

『誰でもない』ファン・ジョンウン著 斎藤真理子訳を読む。
今日的でありなおかつクールな作品だと思う。
社会学者・岸政彦あたりの書くテーマとほぼ同じだと思うが、
きちんと小説に仕立て上げている。
貧しさ、心身における病気、格差社会などなど。
21世紀になってなんだか昔返りしてしまったようだが、
昔のままじゃなくて変異した新しい貧困、病気、格差社会が露呈した。
まあネオでもくっつけてみるか。
ネオ貧困。大学は出ているが、希望する職種で正社員になれず、
時給仕事の掛け持ち。とか。
『ヤンの未来』は書店でバイトする女性の話。
本好き、書店好きなあなたなら、はまりますぜ。

日常的な共感できる短篇集。
そうなんだけど、懐に短刀を忍ばせている。
社会への怒り、不満など。
直接アジテーションはしないで
小説で落とし前をつけている。
だぶん日本でも、アメリカでも、エチオピアでも
翻訳されたものを読んで得るものは同じような気がする。
いい言葉が浮かばないので、世界品質(仮)とする。

 

人気ブログランキング