沈没

ヴェネツィアの宿 (文春文庫)

ヴェネツィアの宿 (文春文庫)

 

昨日の夕方。3記事送って燃え殻となる。
アルコール燃料を投下して沈没。

ヴェネツィアの宿』須賀敦子著を読む。
イタリアなどヨーロッパの思い出と
日本の思い出が
サンドウィッチされている。
作者のプロフィールは、なんとなく知っていたが、
どんな家庭で育って、どんな兄弟がいたのか。
興味はあった。
家族や親族の話はエッセイよりも私小説っぽい。
会社経営者の父親は欧州好き、旅好きの伊達男。
車はベンツ。おまけに愛人までいる。
病弱な母、がっしりとした愛人。

著者は父親の遺伝子を色濃く受けている。
反駁しながらも心の底では慕っている。
父と娘。
幸田露伴幸田文とか。
ふと向田邦子に似てないかと。
向田も父のことを書いている。
ちょっと調べたら、
須賀敦子は1929年1月生まれ。
向田邦子は1929年11月生まれ。
あらら。

イタリアで暮らして結婚して
骨を埋める気でいたと思うが、
ご主人の早世により
帰国を余儀なくされる。
いったんリセットして次の章へ。
そのおかげで
翻訳ではなく書いたものが読める。

関川夏央の解説を読むと
エピソードから著者の生き方がうかがえる。

著者はテッチャンでもあった父親にすすめられて
特急列車フライング・スコッツマン(いいネーミング!)で
ロンドンからエディンバラに行った。
いまもある。乗りたい。

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