処女作にすべてがある

クリスマスのフロスト (創元推理文庫)

クリスマスのフロスト (創元推理文庫)

 

結構、本気(マジ)な雨の中、
朝、郵便局と銀行へ。
右から入って左へ流れる。
高層ビル街という谷になりつつある渋谷。
ビル風は、なんぼのものになるんだろう。

最寄り駅で降りてベンチに座って
『クリスマスのフロスト』R・D・ウィングフィールド著を読了。
いまさらだけど、シリーズ第一作。
適当に読んでいったけど、これがベスト。
一冊だけど上下巻に負けないくらいの濃密さ。
知りたかった奥さんの死や
勲章をもらったいきさつが泣かせる。
思った以上に泣かせるんで意外っちゃー意外。
次第にエンタメ度が高くなっていく。
口の悪さと上司にいうことをきかない。
カンに頼る捜査。
後の作品で出るキャラクターの意外な前歴。

ロンドンのベッドタウンとして発展したデントン。
豊かな森が切り拓かれ宅地になる。
その際で起こる事件。
殺人事件が起こらなければ、ミステリーにはならない。
聖が俗で、俗が聖。
お坊ちゃん刑事を「坊や」と呼んで、
時おり柄にもないことを。
対象喪失もしくはハードボイルド。
時期はクリスマス。
独り者にはさみしい季節。

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