ビンの中のメッセージ


原稿を送った。
経費を精算して確定申告にかからないと。
excelがありがたいと思うとき。

チェーホフ傑作選 馬のような名字』浦雅春編訳を読む。
「編訳者解説」が見事にチェーホフの世界を紹介している。
ポストロシア文学
パイセンであるトルストイドストエフスキーの文学が
重厚長大なら
その後は軽薄短小になる。

『かき』『ワーニカ』『ねむい』は子どもが主人公。
『ワーニカ』『ねむい』は、子どもが過酷な労働環境で
酷使されるという
ディケンズからハリポタまでおなじみの世界。

『ワーニカ』では祖父宛に手紙を書いて
惨状を訴える。帰りたいと。
かわいらしい文面で泣ける話なのだが、
子どもは祖父の住所を知らない。
たぶん切手を買う小銭もないかも。
祖父も孫を売っていくばくかの金は手にしているはず。
ボトルメール無人島かなんかで
流れ着いたビンに手紙を入れて流す。
それにも似ている。

『ねむい』は子守りをしてついうとうとしてしまった子どもが
叱られる。いつもこきつかわれてろくな食事も与えられない。
その矛先が赤ん坊にいくというちょっとホラー風味。

『かわいいひと』。タイトルが有名だと思うが、
ぶっちゃけかわいくてサゲマンの話。
原題を英語にすると「ダーリン」。
これでいいんじゃないか。

『馬のような名字』、これはコントになる。
歯痛に悶える元将軍が太夫、ツッコミ。
歯痛をまじないで直す祈祷師の名前が出てこない執事が才蔵、ボケ。
誰がやる。サンドイッチマン爆笑問題、バイきんぐ。

ビンの中のメッセージはムダでむなしい行為かもしれない。
でも届かないよりは届くだろう。
ぼくたちはワーニカを一方的には笑えない。
そこここで似たことをしているのだから。

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