AIとBI


午後5時過ぎても明るい。
悩ましい声で啼くネコ。
恋の季節

気になっていた『人工知能と経済の未来』井上智洋著を読む。
AI(人工知能)が人よりも勝るとどうなるのか。
AI(人工知能)がこのまま普及すると
人の雇用を奪うのか。
AIを学んでマクロ経済学を学んだ作者の視点が鋭い。
いちばん気になったところ。

AIが本格的に普及したら
その元締めである企業からの税金を財源にして
BI(ベーシックインカム)として一律「月7万円」ほど
人々に還元すればいいと。
ひょっとしたらこれがAIのもたらす「ユートピア」なのかも。
作者はこう書いている。

 

「AIが高度に発達し、働いて所得を得ることが当たり前ではない
社会がやってくれば、恐らく、多くの人々がBIを導入した方が
良いという考えに至るのではないでしょうか」


リアリティのある近未来を垣間見たような気がする。

「おわりに」でバタイユが出てくる。
意外。でもないか。
バタイユは『呪われた部分』というポトラッチにヒントを得た
経済学の本を書いているし。
難解で「至高性」の意味もよくわからなかった。
ところが、作者は「有用性」の真逆にあるものだと。
いまはさあ「有用性」がはぶりをきかせている時代。
作者はワインを例にして「有用性」=「体に良いポリフェノール」。
「至高性」=「うまいから」。
大学もなんだか社会人の即戦力を輩出するための
ビジネススクール化しているのも「有用性」のなせるワザ。
「有用性」という病が蔓延している。

古代ギリシャのように労働が卑しいものと思われるようになるのか。
詩作、哲学、歌舞音曲、アート三昧できたのは
奴隷が労働をになっていたわけで、
その奴隷の役をAIがするのか。
と、思うと愉快だが。

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