なんとなくクラシタル

茄子の輝き

茄子の輝き


平昌オリンピックのジャンプを見る。
高くて寒くて風が強くて。
何の罰ゲームか。
見ていて寒くなったので芋焼酎のお湯割りを飲む。
カイゼル髭風のドイツ(かな)の選手が印象的。
ノルディックウォーキングをする王様という絵を描きたいが
なかなか思うのが描けない。

『茄子の輝き』滝口悠生著を読む。
妻から離婚を求められた男。
勤めていた職場も
東日本大震災の影響で
立ち行かなくなって転職する。
てな、ほろ苦い話の連作集。

結婚もなんとなくして
夫婦生活もなんとなく続いていた。
であるからし
なんとなく離婚したが、
彼の心は大きく穴が開いたまま。
妻の顔を忘れそうになるので、
妻の写真を眺め、一緒に行った旅行のことなどを
思い出す。
エアギターならぬエアストーキング。
ついでに妻が寝ていた蒲団のにおいでも
嗅げばいいのに。
ひょんなことから酔った女子をアパートに
泊めることになる。
村上春樹の小説のキャラなら
すぐさま一線を越えるが、
植物系30代男子は、しない。

話し相手が植物というある種やばい状況。
職場に入ってきた女の子に
一方的に救われる。でも、結婚で東京を離れる。

東日本大震災で受けたダメージ、
直接的ではないが、自覚症状がさほどないままに
侵される。
ぼくもその頃の渋谷の夜の暗さを思い出す。
全編ドキュメンタリー映像のようで。
飲み屋で出てきた茄子の揚げびたしの
茄子紺が鮮やかに迫ってくる。

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