もうひとひねり


仕事する波、待ち。
クリスマスイブの買い出し。
午前中のせいか人は少ない。
ケーキ店は、景気が良かった。
もうひとひねり。

『ねじの回転』ヘンリー・ジェイムズ
南條竹則坂本あおい訳を読む。
新潮文庫版を大昔読んだことがあるので、
違う訳で。


怪奇小説の」古典、しかも難解。とかいわれている。
子どもたちに迫る悪霊という印象が残っていたが、
再読すると、訳者解説で述べているように
幽霊と思われるものを見た家庭教師の女性の
不安神経症的な歪んだ世界をとらえたものにも思える。
屋敷、庭園など舞台はきちんとゴシック小説を敷衍している。
ベタや描き込みが過剰なホラー漫画の源流。

有名なジェイムズ・ブラザース、
プロレスラーじゃないよ。


「ヘンリー(弟)は哲学の様な小説を書き、
ウィリアム(兄)は小説の様な哲学を書く」


は、夏目漱石が書いたのか。知らなんだ。
ウィリアム・ジェイムズは、
プラグマティズム創始者のひとり。
哲学も道具と同じで使えなきゃ意味がない。
小難しいゴタクを並べても
事態はひらけない。そんな哲学。
半分賛成、半分反対。

これもまた昔、6月にロンドンへ行ったとき、
妻の友人夫婦の案内で
ブライトンからライへドライブに出かけた。
リゾート地ブライトンでは晴れていたが、
歴史のある村・ライに着いたときは
曇りだして気温もかなり下がった。
ひっそりとした中世を思わせるような古い町並み。
フーデットパーカーを着て散歩する。
ますます空は暗くなって
窓辺からこぼれる淡く黄色い光。
石碑があって、
ヘンリー・ジェイムズと刻まれていた。
あとで知ったが、晩年、彼はライで過ごしたそうだ。

当然、映画化されている。

家庭教師役のデボラ・カーは原作のイメージにぴったり。

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