- 作者: シンシア・アスキス他,倉阪鬼一郎,南條竹則,西崎憲
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/08/30
- メディア: 文庫
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フィンテック、AI、ブロックチェーンなどで
凝り固まった頭を怪談の古典で
やさしくもみほぐす。
『淑やかな悪夢』シンシア・アスキス他を読む。
倉阪鬼一郎、南條竹則、西崎憲が選んで訳した
選りすぐりの「英米女流怪談集」。
お目当ては『黄色い壁紙』シャーロット・パーキンズ・ギルマン。
西崎憲の解説によるとヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』にも
つながる「「狂気」と「超自然」の裡にあるもの」だそうで。
なるほど。『ねじの回転』ファンのぼくが、
額ずくできばえ。
巻末の編者の鼎談で怪談は短編がいい的発言に同意する。
お化けも女性の方が怖いから、
怪談も女性の方が怖いかも。
あとは『証拠の性質』メイ・シンクレア、
『蛇岩』ディルク夫人も好み。
かつて知り合いがアルコール依存症になって、
ある日脂汗を浮かべて部屋の天井を指さして震えていた。
誰かがこちらを睨んでいる。
お祓いをしてくれと。
幻視という症状だった。
祈祷師を呼ぶか、
アルコール依存症病棟に入院させるか。
常識的には後者だが。
でも、幻視じゃなくて本当に睨んでいる誰かが
天井裏に棲みついているとしたら。