にんげんだもの

行動経済学の逆襲

行動経済学の逆襲

行動経済学の逆襲』リチャード・セイラ―著を読む。
従来の経済学では

「人は自分にとって最適な行動を選択する」。


が大前提。ところが


「人は、経済モデルが想定する人間像から大きく
かけはなれたふるまいをする」

 

なぜ?行動経済学は、そこからスタートした。
著者はトヴェルスキーとカーネマンのフォロワー(おっかけ)として
いろいろな実験を通して行動経済学をつくりあげた1人。
トヴェルスキーとカーネマンが提唱した「プロスペクト理論」が
代表的なものだろう。
ぶっちゃけて言うと人は得するよりも損する方を重んじるってこと。

この本でも
保有効果」「フレーミング」「アノマリー」「ナッジ」などの
おなじみのタームは、字面が一見難しそうだが、
誰もが経験しがちなことがベースになっている。
この考え方をしることで
いろんなバイアスにとらわれなくなる。
嘘ツィートだの、フェイクニュースだの。

集客に悩んでいるスキー場の経営者から相談された著者は
行動経済学から基づいた策を提案する。
実施して結果として人気スキー場に復活したエピソードは
なるほどと思わせる。
某航空会社の早割などは、これを参考にしたのか。
他にも機会があれば行動経済学でいろいろな提案を試みるが、
なかなか受け入れてもらえない。

アベノミクスとて実態はないように思えるが、
日銀のゼロ金利法人税の引き下げとかあるが。
3.11や民主党政権で鬱になったんで
なんかよーわからないけど良くなるかもと
国民のなんかわからん期待値でアゲアゲになったんじゃないだろうか、

大学の先生も出世魚のように
学校を渡り歩いてえらくなっていくが、
著者のように経済学と心理学を掛け合わせた
新しい学問に取り組む者には
やはり風当たりが強いようで。
どっこい、作者は反論を検証の材料、
参考文献にしちゃうほど、ある意味、貪欲。
全篇にただようユーモアはお堅い学術書が苦手な人も大丈夫。
日経のWebサイトで著者が相田みつをファンだと知る。
まさか相田の格言を書いた独特の書と
行動経済学がつながっているとは。
にんげんだもの」間違える。
にんげんだもの」不合理。

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