しまった しまった

バナナ (ちくま文庫)

バナナ (ちくま文庫)

 

何だ、この暑さ。
しまった半ズボンを引っ張り出す。
レギュラーの企画ネタ用の本を読む。
よく寝る子がから寝子、ネコという名前がついたらしいが、
老猫がほとんど寝なくなった。
ケージに入れればケージの中を。
外に出せば家の中をずうっとぐるぐると徘徊する。

移動中に『バナナ』獅子文六著を読む。
主人公は台湾人の父親と日本人の母親から生まれた
ハーフの大学生。恋人の女性はシャンソン歌手の卵。
自動車が好きで足りない資金を
父親に工面してもらおうとするが、断られる。
で、父親の弟が神戸で手広く商売をしていて
バナナの輸入の権利を譲ってもらう。
意外なことに商才があるのか、
最初は思った以上にうまくいくのだが。
有閑マダムの母親に
フランス帰りのシャンソン歌手の魔手が迫る。
いつものように目まぐるしくストーリーが進む。

かつてバナナは高級果物だった。
病気見舞いにもらったけど、
ぼくは、あんまり好きじゃなかった。

神戸の描写が魅力的。
南京町異人館街。
こぢんまりとしたいい都市と記憶している。
呉錦堂の別荘だった舞子の六角堂が話に出てくる。
妻の友人夫婦にクルマで案内されて行ったことがある。
大江千里に『舞子VILLA Beach』という曲があった。
いまは、ジャズピアニストだけど、
ユーミンとか言われていた。

著者も大の食いしん坊だったらしいが、
主人公の父親も負けずに食いしん坊。
出てくる料理がどれもうまそうで
空腹時には読まないように。

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