くりそつ

絞首台の黙示録

絞首台の黙示録


スガシカオの『午後のパレード』を
あちこちのラジオ曲で聴く。

『絞首台の黙示録』神林長平著を読む。
ドッペルゲンガー幽体離脱という言葉が出たが、
そこから進まない。
双子、見た目は自分にそっくり。
でも、何か違う。
以下ネタばれかも。
しょっぱな生々しい死刑シーンの前後が続き、
重苦しい。
死刑になった男が甦っている。
 幽体離脱装置というのか研究開発中の幽体離脱法で
肉体は滅びるが魂は死なず。
どうやらその魂は肉体という容器に好き勝手に入り込めるらしい。
そしてコントロールされる。
なりすましは、偽物が本物を騙ることだが、
この場合、偽物とは言えない。でも、何か違う。

SF作家が書いた怪奇幻想文学の秀作。

死刑前に立ち会った牧師(教誨師)に会いに行く二人。
オリジナルとクローン。
クローンゆえ遺伝子まで同じ。
ぼくって何。私って誰。
自問し悩めるレプリカント
産みの親である博士に報復する。
そう、『ブレードランナー』のように。
出てくる人物たちが、
本当に生きているのか、死んでいるのか、
わからなくなる。
罪と罰。神と悪魔。
オカルティック気分、高濃度。

こりゃ黒沢清に映画化、希望だな。
かわいらしいが、アートっぽい表紙。
誰が描いたのだろうと思ったら、
西島大介だった。

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