『ミレニアム』は北欧ミステリーのホームラン王

ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 (上)

ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 (上)

ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 (下)

ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 (下)


言いたくはないが、言ってしまおう。
鷹揚なヤクルトファンの一人だけど、
健康飲料メーカーがスポンサーなのに
こうもケガ人ばかりじゃ、
企業イメージに響かないか。
古くは野村再生工場とか、
他チームで伸び悩んだり、
ピークが過ぎたと思われる選手を
やりくりしてきたが、
今シーズンはレギュラーがケガ人ばっか。
勝てるわけがない。
J1のチームにJSLのチームが挑むようなもの。
おっと、グチはここまで。

ここ数日は、『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』(上)(下)を貪り読む。
スティーグ・ラーソンが3作まで刊行して
4作目を執筆中に急死。
代わりにダヴィド・ラーゲルクランツが新たな4を書く。
腕利きの記者で島耕作のように女性にモテるミカエル。
ドラゴンタトゥーのあるハッカー、リスペットなどなど。
個性的なメインキャラクターがしっかり肉づけされているわけだし、
楽かなと思うかもしれないが、
小うるさい世界の『ミレニアム』ファンに
ラーソンと遜色のないものを書くのは、すごいプレッシャーがかかる。

人気ジャーナリスト、ミカエルも陰りが見えだし、
雑誌が売れないのは日本ばかりかスウェーデンも同じで
雑誌『ミレニアム』も、スポンサーから注文をつけられる。
殺人事件に遭遇したミカエルはジャーナリズム魂に火がついて甦る。

リスペットのクールなアクションシーンを読むと
篠原とおるの漫画『女囚さそり』や『ワニ分署』のコマ割りを思い出す。

量子コンピュータやAIなど最先端テクノロジーありいの、
怖い殺し屋とのド派手なドンパチシーンや
カーチェイスありいの、
ちょっとセクシーなシーンありいの。
DVとかアダルトチルドレン
姉妹の仁義なき戦いなど満艦飾。
で、天才少年がおいしいところをさらっていく。
やっぱり『ミレニアム』は北欧ミステリーのホームラン王です。

副題の「蜘蛛の巣」は、確か殺し屋のタトゥでもあり、
Webのことでもある。

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