フレンチ・ゴースト

怪奇小説傑作集4<フランス編>【新版】 (創元推理文庫)

怪奇小説傑作集4<フランス編>【新版】 (創元推理文庫)

今週の移動本は『怪奇小説傑作集4 フランス編』青柳瑞穂・澁澤龍彦訳。
訳編者でもある澁澤のウンチクたっぷりの解説が、
今となっては懐かしい文体で。

「フランス人には、昔から、幻想的な資質が乏しいということが
定説になっていて、幻想小説といえばドイツが本場、恐怖小説といえば
イギリスが本場が信じられてきたのである」


しかし、恐怖小説の枠組み、お約束に則って書かなくとも
怖い話はあるだろう。
ぼく的には短めの作品が好印象で、奇想なり恐怖なりが伝わって来た。
『手』ギー・ド・モーパッサンや『ミスタアユウ』ポール・モーラン、
『自転車の怪』アンリ・トロワイヤなど。

ま、リアリズムの国だから、アンドレ・ブルトンあたりはヤになって
シュールレアリスムなんて提唱したわけだし。違うか。
リズム感の悪い黒人だっているし、
寿司の嫌いな日本人だっているわけだし。
ジャズやホラー小説やおしゃれも辺境の地で
過剰に進化するという説をぼくは支持しているし。

旧制高校の同級生」だった出口裕弘の「新訳解説」によると

「フランスには未紹介のいい短編がたくさんあるんだ、自分でつまんない
小説なんか書くより、そういうのを翻訳するほうがずっといいと思うし」

 


と言っていたそうだ。
出口訳のブランショバタイユの本には
一時期、染まったが。

平井呈一もそうだったのだろう。

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