こわい恵方巻

怪奇小説傑作集〈2〉英米編2 (創元推理文庫)

怪奇小説傑作集〈2〉英米編2 (創元推理文庫)


恵方巻とやらを2日続けて食べる。
正月のモチ・クライシスを乗り越えた
お年寄りは、恵方巻にも、かぶりつくこのだろうか。
ロシアンルーレットならぬ恵方巻ルーレット。
もし恵方巻で窒息したお年寄りの遺族が、
恵方巻を訴えたら、どうなるのだろう。

怪奇小説傑作集2』ジョン・コリアー他 
宇野利泰・中村能三訳を読む。
怪奇小説傑作集1』が、クラシックなゴシックホラーだったのに、
「半世紀」若くなるだけで随分と作風が新しくなる。
怪奇よりも奇想、SF色が濃くなっている。

平井呈一の解説の引用。

「前期の恐怖作家がゴチック小説の流儀を踏襲して、
いろいろくふうした怪しい不気味な条件と環境をとりそろえて、
自然と人生の上に超自然的恐怖を組み立てていったのに反して、
後期「現代派」の恐怖作家たちは、現代生活の現実の隙間のなかへ、
いきなり超自然を押しこむことをはじめたのであります。
言いかえると、かれらは日常生活の隙間に手をかけて、

いきなりそいつをひんむいて、内側にある恐ろしいものを
見せることをはじめたのです」

 

 

「内側にある恐ろしいもの」見たいよねえ。

これってシュールレアリスムともカブる。

好きだった三作。短い感想をば。

『みどりの想い』ジョン・コリアー
ネタバレすると、植物になった人間の話。
ネタバレしても、面白さは損なわれないから。

 

『船を見ぬ島』L・E・スミス
島に漂流したと思ったら、その島が実は。
惑星ソラリス』で海は大脳皮質を意味しているんだっけ。
そんな話。

 

『住宅問題』ヘンリイ・カットナー

借家人の鳥かご。いつも布がかぶせてあって気になる夫婦。
借家人の留守にのぞいてみると…。
その住人のエピソードの小ネタが気に入った。
「FOR RENT 家貸します」という意訳のタイトルはいかがっすか。

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