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キェルケゴールとキルケゴール

キェルケゴールの日記 哲学と信仰のあいだ

キェルケゴールの日記 哲学と信仰のあいだ

 

いまは昔、大学で
桝田啓三郎先生のキェルケゴールのゼミを履修していた。
キルケゴールの方がなじみがあるんだけど。
テキストは『反復』のヨブ記についての部分で英文だった。
ちなみにキェルケゴールはデンマークの人。
で、感化されて主な著作を文学書の如く読み漁った。
理解は別にして。

『キェルケゴールの日記-哲学と信仰のあいだ』
セーレン・キェルケゴール 鈴木祐丞編訳を読む。
作者は筆まめ、ペンまめか。
で、膨大な日記から編訳者が抜粋して解説するというスタイル。
内田樹センセイのブログ→書籍化みたいな感じ。
「実存哲学の先人」的立ち位置なのだが、
日記は陰々滅々。でも、新しい。
牧師になろうかと思うくらい敬虔な信仰を持ちながら、
神と人間の存在に悩む。
夏目漱石の後期三部作みたいな日記。

日記だからすべてが真実、本音かと言えばそうではない。
書くという行為では、少なからず脚色、話を盛りたがる。
ブログなどを書いているあなたは、生身のあなたとは違うように。
編訳者も、そのように書いているが、当然っちゃー当然。

レギーネオルセンとの婚約、そして解消。
『あれか、これか』。神と婚約者を天秤にかけて前者を選んだ。
たぶん、そして悔いる。
そんなことは日記には書いてないが。
後に彼女が結婚したことを知ったとき、どう思っただろう。
田山花袋の『蒲団』だと、
女弟子が出て行った後、小説家は彼女の蒲団のにおいをかいだが。

しらけ世代、モラトリアム、ピーターパン症候群
草食系、腐男子喪男厨二病…。
こんなふうに呼称されている人たちの先駆けでもあると言えるし、
あるいは村上春樹の小説世界にも通底するものがある。

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