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古池や

昨日はアルバイトの研修で午後から日本橋方面へ。
10年ほど前、半年間、仕事で通った。
久しぶりに三越前の長い地下通路を歩く。
地図はもらったが、このへんはわかりにくく、
といってもどこでもそうなんだけど、
ギリギリセーフ。汗だく。

行き帰りに『古池に蛙は飛びこんだか』長谷川櫂著を読む。

「古池や 蛙飛こむ水のおと 芭蕉


一般的な解釈では

「古池に蛙が飛びこんで水の音がした」

 

というもの。
作者は、こう解釈する。

「蛙が水に飛びこむ音を聞いて心の中に古池の幻が浮かんだ」

 

要するに写生ではなく、もっと深い意味、概念的なものだと。
当時、俳諧の先陣を切っていた芭蕉俳諧への進化的手法だと。

紅茶にマドレーヌを浸して食べたら、
失っていた幼年時代の思い出が
沸き上がってきたようなものか。

ぽちゃんかぽちゃりか知らないが、蛙、蛙じゃないかもしれないが、
音を聞いて脳内に古池のイメージが浮かぶ。
ヴァーチャル古池。

このような作法で五七五でありながら、
省略、モンタージュを駆使して宇宙をつくる。
優れた盆栽や京都の古刹の石庭のように。
京都へ行って龍安寺の石庭を見たが、
思った以上に小さかったが、
腰を下ろして庭を眺めていると、
次第に大きくなっていくような気がして唖然とした。

解説前の作者の今様狂言二題が笑える。
ああ、こんなの書きてえ。

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