- 作者: 獅子文六
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2015/12/09
- メディア: 文庫
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今週の電車本『悦ちゃん』獅子文六著を読む。
本当は詩人なんだけど食えないんで
流行歌などの作詞もしている父とおしゃまな悦ちゃん。
連れ合いに先立たれ、
詩人ファンだというお金持ちのインテリ美人と
悦ちゃんが好きになった下町の美人デパートガールが
後添え候補となり二転三転。
そこに絡むユニークなキャラ。
ノンシャランな父親が
ムッシュ・ユロ― 僕の好きな叔父さん―と
カブって見える。
父が失踪中、
ひょんなことからレコード歌手となった悦ちゃん。
芸名が「日本テムプル」ちゃん。
「東京ビートルズ」みたいだ。
洒落たユーモア。
気配り・目配りの利いた実に楽しい小説。
「昭和11年報知新聞連載小説」だったそうだ。
まだ日本は平和だったかなと思ったら、
2.26事件が起きた年なのね。
本秀康のカバーイラストがたまらなくかわいい。
シャーリー・テンプル風ね。
髪はくるくるにしてほしかった。