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ひれ伏す幸福

服従

服従


『服従』ミシェル・ウェルベック著を読む。
ユイスマンスに私淑している孤独な大学の先生。
近未来のフランスという設定で
イスラム化は、ついに政治中枢にまで及ぶ。
イスラム政権のもと、
改革は彼の勤務先の大学にまで及ぶ。
改宗すべきか、否か。
とは言え彼にはキリスト教は希薄な存在。
作者の作品は最近、エロ度が低めになっているが、
この本も主人公が植物系のせいか、内省的で、
ひょっとしたらサービスカットは、なしかと思ったら
ようやく出てきました。

世の中は、結局、白人優位主義で回ってきたが、
数の論理、多数決でいうと、
有色人種には負けるわけでそれが脅威となっている。
アメリカは黒人が脅威だったが、いまは膨張するヒスパニック系が
脅威で、オバマが有色人種系の大統領だったが、
次は女性の大統領とヒスパニック系の大統領、
どちらが先になるのだろう。

ユイスマンスは晩年、カトリックに改宗した。
ぼくはキリスト教徒じゃないので改宗の本質を良く知らないのだが。
主人公は改宗するのか、しないのか。
信仰の踏み絵をされる。転ぶのか、転ばないのか。
随所にキルケゴールの匂いがする。

佐藤優の解説が優れている。
ま、弱き者、汝はインテリゲンチャなり。
つーこと。

ユイスマンスは、その昔、澁澤訳のを
神保町の古書店でゾッキ本のを買った。
立派な凝った装丁の本がただみたいな値段だった。
日本語訳されていないのもあるんだ。
これは、読んでみたい。

ミシェル・ウェルベック村上春樹の小説のキャラクターの
比較をしてみると面白いだろう。
似て非なる。

 

「人間の絶対的な幸福が服従にある」

この一文。マゾヒズムの極みだが、真理かも。

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