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ラップ現象

ヒップホップ・ドリーム

ヒップホップ・ドリーム

菊地成孔の粋な夜電波』で絶賛していた
『ヒップホップ・ドリーム』漢a.k.a.GAMI著を読んだ。
ヒップホップに詳しくないぼくだが、一気読みしてしまった。
たぶん、作者がインタビューで語ったものを
ライターがまとめて、それを作者が原稿チェックしたと思うのだが、
濃く、熱い。

カバーの写真を見てそのいかつさから、
ハーフかと思ったらそうではないようだ。
新潟出身「新宿ストリート育ち」。
いやあ両親のこと、多国籍街・新宿のことが、
生々しく語られている。
フットボール&ロックンロールが一昔前のカッコいいキャンパスライフなら
作者はアメリカンフットボール&ラップ。
アメフトでは、いい線いってたようだ。

ラップは、リアルじゃないと言う。
自分の心中にたまったものを吐き出す手段として
いろんな表現行為があるが、最もフィットしたものが
ラップだったとか。

 

「俺は本を読んで得た知識や人から聞いた言葉をそのまま
リリックに使うラッパーも好みじゃない。本で調べた言葉を
使えばいくらでもリリックは書けるけど、ラップは論文や
レポートじゃない。俺は自然に生活しながら思い浮かんだ
言葉やフリースタイルで出てきた言葉をリリックに使うし、
その言葉の正確な意味がわからないときに初めて辞書を引いて
調べる。凝り過ぎた比喩や捻り過ぎて少し考えないと理解
できないようなユーモアではなく、その場にいる人間がパッと
わかるシンプルな比喩やユーモアを操らなければならない」

 


などなど金言だらけ。


作者は、ラッパーだけじゃなくてプロデュースや経営能力にも
長けているようだ。と言うよりも
最初のインディ-ズレーベルのボスの経営に関する
どんぶり勘定、悪辣さにあきれて袂を分かって、自ら経営に乗り出す。
ビジネスとしてのヒップホップ産業も
知ることができる。

ワールドカップで活躍して
凱旋帰国した日本のラグビーチームの会見を見て、
あ、エグザイル見ているときと同じじゃんと腑に落ちた。
規律と統制が保たれながら
個の自由はあるという。
キャプテン、リーチ・マイケルは、HIROか。
フィジカル系、もろ体育会系。マイルドヤンキー系?
このグループとヒップホップが重ねって見える。

読み終えてから、ジム・キャロルの『マンハッタン少年日記』や
矢沢永吉の『成り上がり』を思い出した。
関連した拙レビュー
『ヒップホップの詩人たち』都築響一著
同じことを言うが、
ヒップホップのリリックは、現代詩であり、私小説系譜に連なるものだと思う。

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