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季節はずれのバレンティン・デー

戦争小説家 古山高麗雄伝

戦争小説家 古山高麗雄伝

 

ヤクルトに待望のバレンティン復帰。

すごい打線にさらに勢いがついて、 ひょっとしたら、ひょっとする。

野村チルドレンが、あちこちの球団で 指導者の才能を芽吹かせている。

 

『戦争小説家 古山高麗雄伝』玉居子精宏著を読んだ。

当時日本の植民地だった朝鮮で生まれる。 生家は病院を経営しており、

「お坊ちゃま」育ちだった。 志望校を落ち、東京で予備校通い。

そこで安岡章太郎らと知り合う。 安岡の小説『悪い仲間』のいわば主役が古山だった。 何かにつけ早熟で、悪徳を秘めた「お坊ちゃま」で、

「文士」になることにあこがれていたそうだ。

せっかく入った三高も、教練など軍事モードになじめず退学。

日大に入り直して後、兵役となる。 悲惨な戦争、戦後の捕虜収容所暮らし、

運良く生き延び、帰国する。

『悪い仲間』時代には、小説を発表していた古山は、 編集者として職に就く。

書かなかったのか、書けなかったのか。

編集者としては口八丁手八丁というタイプではなかったとか。

ま、給料分働くってことなのだろうか。

担当した仕事は、きちんとこなしていたようだが。

所帯を持つも、安月給ゆえ一時期は 競馬で生活費を捻出していた。

生まれついての博才か。 どこか世の中を斜に構えているようなアウトサイダー感覚は、 文士にあこがれたのと 繋がっているような気がする。

 

かつての友人、安岡章太郎芥川賞を受賞して華々しくデビューする。

自身がモデルになった『悪い仲間』を発表される。焦りはなかったのだろうか。

家族の食い扶持を考えて編集者を続けていこうとしたのか。

江藤淳のすすめで編集長を務めていた『季刊藝術』に、 作品の穴ができて、

代わりに自分の作品を埋め草的に載せる。

小説家・古山高麗雄の誕生。 「49歳の芥川賞作家」。

 

遅いデビューと思われるかもしれない。

だが、ここまでの歳月、経験したものがなければならなかった。

ますますキナ臭くなりつつある今、 健在だったら、どのように思うのだろう。

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