歌人養成ギプス

ぼくの短歌ノート

ぼくの短歌ノート


『ぼくの短歌ノート』穂村弘著を読む。
古典からいまの短歌まで。
いわゆるプロからアマまでの短歌を取り上げ、
その魅力を述べたもの。
章立てというか短歌のキーワード別カテゴライズが
独創性にあふれている。
「高齢者を詠った歌」の章が、
とりわけしみた。泣きそうになった。
一首引用。

「父のなかの小さき父が一人づつ行方不明になる深い秋
                     小島ゆかり

 


個人的に短歌に興味を覚えて、
ときおり、それらしいものを本ブログで
エントリーしているのだが、
これは教則本としても優れている。
作者自ら改悪例を披露している。
短歌は五七五七七が基本形だが、
字余り、字足らずでも成立している。
必然性があることが、わかる。
もう一首引用。

 

「ハブられたイケてるやつがワンランク下の僕らと弁当食べる
                        うえたに」


この文字数で、スクールカースト、朝井りょうの小説と同量の世界を
表現することができる。

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