猫と留守番

ノモンハン戦争―モンゴルと満洲国 (岩波新書)

ノモンハン戦争―モンゴルと満洲国 (岩波新書)

3連休は猫と留守番。
炊事、洗濯、掃除の合間に、読書、猫へご飯、遊ぶ。
夜、仕事から戻って、シャワー。
残り物を温め直して、飲酒。
明け方、寒くなって目を覚ます。
中島みゆきオールナイトニッポン月イチ』がはじまっていた。
中島みゆきのしゃべりは、なんであんなにおかしいんだ。

ノモンハン戦争 モンゴルと満州国田中克彦著を読んだ。
チョムスキーかなんかの言語学の権威かと思ったら、
モンゴルにも造詣が深い人だった。知らなんだ。
ノモンハン事件をモンゴル側から捉えなおした内容。
ソ連と中国に隣接しているロケーション。
ううんと、ソ連くんと中国ちゃんから袖の引っ張り合いを
されている関係。
ソ連の都合により粛清されるモンゴルの治政者たち。

ここで関東軍司令部参謀の辻政信大尉について紹介している。

関東軍の行動計画は、ソ連で考えられているほどには
大規模で計画的ではなかった。日本軍は目標を北ではなく
南に向けていたことは、すでにリヒャルト・ゾルゲコミンテルン
通報していたので、みなさんご存知のとおりです」


「しかし、辻政信という功名心と名誉欲にとりつかれた参謀がいて、
かれは持ち前のアヴァンチュリズムを発揮して、この戦闘の発端から
最後まで動かしてきた」

実質上の首謀者だったわけか。
その後、数々の激戦地から生き延びて、
戦後、『ノモンハン』などを執筆してベストセラー。
しまいには自民党所属の衆議院議員にまでなっている。

ふと、あの甘粕正彦を想像した。それから『帝都物語』の加藤保憲を。

辻政信―この人は並みでない功名心と自己陶酔的な冒険心を
満足させるために、せいいっぱい軍隊を利用してきた。そうして戦争が
終わって軍隊がなくなると、日本を利用し、日本を食いものにして
生きてきたのである」

甘粕は自決したが、辻はしぶとく生き延びる。
生き胆を喰らう妖怪の一人か。
いまの首相のじっちゃんのように。

 

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