心なしか

イラクサ (新潮クレスト・ブックス)

イラクサ (新潮クレスト・ブックス)


心なしか朝夕の電車が空いている。
ちょっと前までは、ルーティンワークで移ろって行った季節も
不順なのか不純なのか。
高温多湿、雨の多さには、生存の耐性ができていたはずなのに、
溢れる、崩れる、流される、壊れる。
地球温暖化と一刀両断はできないが、
ついしたくなってしまう、ここ数年。
歳時記も困るだろう。

イラクサアリス・マンロー著を読んだ。
ガチ・マジで人生や家族、血縁、地縁、愛とか
考えさせられるので、短編集でもどーんと時間がかかる。
もっとも、小説は読んでいて時間がかかるかも。
お固い人文・思想、哲学関係の本の方が
スピードは速い傾向にある、ぼくのバヤイ。
でなければ、紙魚の餌となる。

イラクサ』で子どものとき、知っていた男性と
数十年ぶりに再開する。
二人でゴルフ場にいるとき、
激しい雨に遭遇する。
身の危険を感じで二人は抱き合い、キスをする。
このシーンにメタフィジークなものを感じた。
猛々しいが、神々しい。

村上春樹なら、その後、安直にエッチなシーンを
サービスカットで用意するかもしれないが。
作者の謳い文句や紹介フレーズの常套句に
「現代のチェーホフ」みたいなのが、ある。
短篇で巧みなストーリーテリングで、人生の機微を鋭く抉る。
ってのは、共通しているが、
アリス・マンローは、繰り返すが、ガチ・マジ。
チェーホフの方は、苦い笑いがある。

YouTubeで検索したら、まさかの三遊亭圓生の『真景累ヶ淵』があった。
ラッキー!!暇に任せて聞くぞう!聞くおう!(木久蔵、 木久扇)。
原作は、三遊亭圓朝
二葉亭四迷がいわゆる言文一致体を開発する際、
手本の一つにされたそうだ。
てなことを、大学の講義で習った。
昨日のことは忘れ、遠い日のことは覚えている。
ボケか。

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